乳がん術後ケアコラム

運動による乳がんの副作用の緩和について

2021.11.29運動による乳がんの副作用の緩和について

乳がんの手術後の治療では様々な副作用が起きる場合があります。
「乳がんの副作用に対処するためのヒント」と題し、ドイツのケルンにあるCancer Center(CIO Köln Bonn)のスポーツ科学者Freerk BaumannとAmoena社が共同で作成したものを日本語訳し、掲載いたします。

◆リンパ浮腫

結合組織の痛みを伴う腫れ。リンパ液が組織内および組織間の空間に詰まると発症します。最近ではリンパ浮腫のリスクは大幅に減少しましたが、リンパ節が切除された場合にリンパ浮腫が発生することがあります。

【役立つ運動方法】
・水泳や水中エアロビクスなどのウォータースポーツ:水圧と筋肉の収縮により、組織に穏やかな圧力がかかり、リンパ液の動きが促進されます。
・ノルディックウォーキングでの適度なウェイトトレーニング:腕を前後に動かすと、筋肉が収縮し、リンパ液の流れが促進されます。
◆神経障害

化学療法後の乳がん患者さんは、手足の神経障害のしびれが起こる場合があり、患部がチクチクしたりしびれたりすることがあります。

【役立つ運動方法】
手の場合:ギターやピアノの演奏などの細かい運動、または指を使って物をつかむなどの運動。
足の場合:感覚運動トレーニング(砂の上でのバランス運動や平らでない地面で立つなど)、ヨガ、ピラティス。
◆関節痛

乳がんのホルモン療法の副作用で発生する場合があります。

【役立つ運動方法】
筋肉を構築する集中的なウェイトトレーニング、またはジョギングなどの集中的な動きが改善に役立つことがよくありますが、まだ、その理由は分かっていません。
◆肩関節の可動域制限

乳房切除後、長期的な肩などの関節が動きにくくなる場合があります。さらに緊張や痛みを感じると、姿勢が悪くなり、筋力が低下し、筋肉のバランスが崩れることがよくあります。

【役立つ運動方法】
適度なウェイトトレーニングとストレッチバンドを使った体操を組み合わせて実施してみてはいかがでしょうか。筋肉が強化され、患部が伸びると可動性が高まり、姿勢が改善されます。
◆倦怠感

化学療法による疲労感と慢性的な倦怠感

【役立つ運動方法】
ガーデニング、ウォーキングのような初歩的なものから、ジョギング、ウェイトトレーニングまで、体をしっかり動かすことです。但し、疲労感が大きい際は強度なトレーニングはお勧めしません。

どの運動がご自分にとって良いかは、治療の段階や症状として出ている副作用の状況にもよります。
運動計画を立案・実施する前に、必ず医療従事者に相談してください。
また、乳がん術後ケアコラムでは運動の1つとしてヨガについてのコラムもございます。

是非こちらもご覧ください。

Amoena Worldwideより一部引用

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この記事を書いた人:宮浦@ピンクリボンアドバイザー
この記事を書いた人
宮浦@ピンクリボンアドバイザー

2012年よりアモエナ製品担当。同年より日本乳癌学会学術総会を毎年聴講。また、ピンクリボンアドバイザー制度創設2013年から受験。同年初級、2014年中級、2016年上級を取得(すべて第一期)。

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